1996.3.9 吹田SA → 西武拝島駅

 関東で行われるグライダーの競技会に出場することになった。
 今回のヒッチハイクがいつもと違うのは女性が一緒にいることだ。競技会に同じく出場する後輩のW子さんも「一度ヒッチハイクをやってみたい」ということなので、二人ですることになった。女性がいればすぐ車が止まってくれる!という甘い期待を抱いていた。

1台目
乗車地 名神高速吹田サービスエリア
(大阪府吹田市)
降車地 名神高速養老サービスエリア
(岐阜県養老郡養老町)
車種 乗用車
乗せてくれた親切な方 20代男性自衛官
乗るまでにかかった時間 1時間30分

 7:45から開始。思ったよりも時間がかかってしまった。たとえ女性がいても、2人だとやはり難しいのだろうか。
 乗せてくれたのは陸上自衛隊勤務の方だった。もちろん仕事中ではない。

2台目
乗車地 名神高速養老サービスエリア
(岐阜県養老郡養老町)
降車地 中央道双葉サービスエリア
(山梨県北巨摩郡双葉町)
車種 大型トラック
乗せてくれた親切な方 30代男性
乗るまでにかかった時間 1時間

 不思議な雰囲気の人だった。話のピントがずれている。が、面白い人ではあった。これまでにも何度かヒッチハイカーを乗せたことがあるらしかった。外国人を乗せて金をとられたり、家出少女を乗せて説教したことや、お礼に体を売ろうとする娼婦を乗せたこともあったという。
 ヒッチハイク史上初めて、中央道を通ることになった。スキー客ばかりで、トラックが少なそうなことが気がかりだった。

3台目
乗車地 中央道双葉サービスエリア
(山梨県北巨摩郡双葉町)
降車地 中央道談合坂サービスエリア
(山梨県北都留郡上野原町)
車種 乗用車
乗せてくれた親切な方 20代後半男性
乗るまでにかかった時間 20分

 乗せてくれた方には非常に申し訳ないのだが、W子さんと私は、今回芝居をすることにした。
「私とW子さんは駆け落ちする恋人同士であり、東京で生活しようと思っている」
そんな設定で会話をすることにした。(ちなみに彼女には別にちゃんと彼氏がいます。) 乗せてくれたのは、スキー帰りの一人の若い男性。助手席にW子さんを座らせる。
「二人は付合ってるんですか?」
「ええ、まあ」
「深刻そうな顔してるけど、もしかして駆け落ちとか?」
「ええ、まあ」
 ってな感じで会話が進んでいった。W子さんはなかなかの名演技だった。深刻そうな顔つきが見事である。お互いの家族の反対を押し切り大阪の家を飛び出し、東京でこれから二人で生活するつもりである、と言った。彼もかなり興味深かったらしく、
「いろいろ聞いて申し訳ないけど、なかなか身近にない話なんで」
と言って、いろいろと質問してくる。だんだん話のつじつまを合わせるのがしんどくなってくるが、W子さんの名演技により、うまく取り繕った。
 そして、別れるときには
「これからいろいろ障害も多いと思うけど、頑張ってください」
と言われ、缶コーヒーをおごってもらった。
 騙してすいませんでした!ごめんなさい!


4台目
乗車地 中央道談合坂サービスエリア
(山梨県北都留郡上野原町)
降車地 西武拝島駅
(東京都昭島市)
車種 乗用車
乗せてくれた親切な方 20代男性2人
乗るまでにかかった時間 40分

 トラックがいない。ほとんどがスキー帰りの関東方面のナンバーの車だ。そして、止まってくれたのは、スキー板を積んだ男性2人が運転する車だった。
「八王子までしか行かないけど、乗りますか?」
 私は、もっと遠くまで行ってくれる車に乗りたかったのだが、W子さんはだいぶ疲れているようだったので、乗ることにした。

 拝島駅に着いたのが18:00。そこから電車に乗った。やっぱりW子さんは疲れていたらしく、すぐに居眠りしてしまった。女性にはハードだっただろうか。

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