  1978年、埼玉県行田市のさきたま古墳群のうち、稲荷山古墳から出土した錆に覆われた鉄剣をエックス線調査したところ、１１５文字の金の 銘文が発見され、当時、古代史上の大発見と騒がれました。 2013年には、現代の名工たちが6年かけて完成度の高い復元品を作っています。 そこで、現代の名工が作った復元品には劣りますが、低予算で復元品を作ってみました。 【刻まれていた115文字】 〔表〕
〔裏〕
【鉄剣の銘文からわかること】 この銘文と、1873年に発見されていた熊本県江田船山古墳出土の鉄刀には、似通った記述が多く見られます。また、２つの古墳はいずれも５ 世紀後半から６世紀初め頃の築造と考えられています。この２つの銘文をあわせて考えると、少なくとも５ 世紀後半には、ヤマト政権の力が東は関東から西は九州にまで及び、そのヤマト王権の都がシキの宮（奈良県磯城郡）にあったこ とがわかります。 なお、鉄剣の銘文にある「ヲワケ」については、稲荷山古墳の被葬者であるとする説と、例えば阿部氏のようなオホヒコを祖とする系譜を持つ中 央豪族であるとする説があります。前者はヲワケを東国から大和に上番させられた杖刀人たちを束ねた地方豪族とするものであり、後者は東国から 上番する杖刀人たちを中央で統率する中央豪族とするもので、その配下の杖刀人として近畿にやってきた東国豪族の子弟にこの剣を与えたというこ とになります。 また、この銘文から、５世紀後半には、固有 の人名や地名を漢字の音を用いて記していたことがわかります。 【制作過程】 �．曄璽爛札鵐拭爾如�厚さ5mmの鉄の「フラットバー」（数百円）を購入し、ペンで輪郭を描きます。  ��電動グラインダーで輪郭に沿って切断します。軍手、白衣、ゴーグルを装着！しますが、激しい火花が靴下を通り抜けて当たるので時々足首が熱 い！！  ��切断が終わったら、次は電動グラインダーで磨きます。剣が光り輝くようになるので、制作に関わった生徒たちの目も輝きます！  �づ兎哀哀薀ぅ鵐澄爾世韻任狼韻�が弱い気がしたので、砥石で磨いたり、ピカール液（数百円）でさらに磨きをかけましたが、どこまで効果があっ たかは疑問です。 
 �Χ眇Г離織奪船撻鵑琶源�を書きます。  �Г海譴如屮錺�タケル大王」と読むようです。  ��鉄剣を２つの成形した木材ではさみ、ボルトとナットで固定します。ボルト・ナット部分は木工パテで隠し、朱色に着色。  ��握る部分にタコ糸を巻きます。これでボルト・ナットや木工パテの部分も完全に隠れます。  ��完成！ 切れ味は鈍いので、銃刀法違反にならないはず・・・ 【参考文献、ホームページ】 ・訓読例と意訳は、熊谷公男『日本の歴史第３巻 大王から天皇へ』（2001年、講談社）のp112-114を参考にしました。 ・高校教科書『詳説日本史Ｂ』（山川出版社）の指導書 ・柄の形は、正確なものがわからなかったので、東京国立博物館編『東京国立博物館所蔵 骨角器集成2 鹿角製刀剣装具篇』（2013年、東京 国立博物館）p.68を参考にしてます。 ・埼玉県立さきたま史跡の博物館 … 国宝「稲荷山古墳出土金錯銘鉄剣（ホンモノ！）」が展示してあります。柄の形などの相談に乗って頂きました。 ・蠢 愛ずる日々ブログ … 鉄のフラットバーをグラインダーで削るというアイデアを参考にさせていただきました。  |
